「士農工商」はなかった?!

 

アイコ

  • ねえ、パパ。
    パパがこの前、落語をCDで聞いてたけど、あれは何というお話?。

マモル

  • ああ、あれね、あれは「妾馬(めかうま)」っていう話さ。
    たまには、「八五郎出世」という名前でやっている人もいるな。

アイコ

  • あの話の最初の方で、お殿様の身分の話が出てきたけど、その中にあった「シノウコウショウ」って何のこと?。
    何だか、お侍が偉いってことだったみたいだけど。

マモル

  • ああ、あれは江戸時代の身分制度を表した言葉で、侍の「士」に農民の「農」、ものを作る工作の「工」に商売の「商」でもって、「士農工商」
    けど、今はもうこれ、学校では習わないんだよな。

    歴史の教科書にも、もう載ってないみたいだし。
    textbook_61_textbook_picture

ノリコ

  • パパ、それどういうこと?。
    びっくりなんだけど。

マモル

  • 落語に入る前の説明と言うか、前振りと言うか、そこを「マクラ」って言うんだけど、そこである落語家さんが話してたんだ。
    「妾馬」以外にも、お侍が出てくる落語はいっぱいあって、そこで侍と町人の身分の差が出てくるような場合は決まって、「士農工商」って言ってたんだけど、どうもそれが間違いだったみたいだって。

アイコ

  • そもそも「シノウコウショウ(士農工商)」って、どういうことだったの?

ノリコ

  • さっきパパが言った文字の通り、お侍が一番偉くって、次いで農民で、続いて職人に、商売人という、身分の序列を表した言葉よ。
    江戸時代は身分制度がしっかりしていたから、それぞれの階層から移動することもできなかったって習ったの。

マモル

  • 確かにそんな感じで昔は習ったよ。
    けど、実際には、身分の移動はあったそうだし、この4つの階層に区別できない人々もいたんだよ。
    僧侶や公家、芸人たちとか。
    そして何より、「士農工商」って言葉は、江戸時代になかったっていう話も出てきてるんだ。

アイコ

  • それって、どういうこと?

マモル

  • 「士農工商」という言葉は、早くても江戸時代後期、確実なのは明治時代になって使われるようになった言葉らしいよ。
    明治になって新たな平等社会を作る上で、前の状態を説明するために使われた言葉らしいよ。
    それが教科書に取り上げられたことから、さも当時から使われていたかのように思ったんだろうね。

ノリコ

  • それ聞いたことがあるわ。
    歴史の用語で、実は当時にはなくって、後からそう呼ぶようになった言葉もあるって。

マモル

  • そのうち、新入りの噺家が師匠から噺を教わるときに、「その『シノウコウショウ』って何ですか?」って訊くようにようになるんじゃないかって思うと、おっかしいね。
    マクラも変わって、「昔は『士農工商』といった身分制度がありまして、なんて言ってましたけど、実際はなかったらしいですねー」なんてね。

アイコ

  • パパ、お後がよろしいようで。


落語「妾馬」については、拙サイト「『落語をCDで聴く』のブログ」で紹介している六代目三遊亭圓生師匠の音源がオススメです。

 

登場人物の設定に関しては【こちら】

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です